ドルコスト平均法によるインデックスファンドへの定額積立投資。
この数年で一気に投資法として定着してきたように感じています。
その背景として、2009年から一貫して米国株が大きく上昇したことにより昔からインデックファンドの定額投資を続けてこられた方々(米国株ブロガーのたぱぞうさん、等)が目覚ましいパフォーマンスを上がられていることがあると思ってます。
S&P500チャート
まのすけは、2018年1月より勤め先が導入した企業型確定拠出年金では、その制度上のこともあり、日本を除く先進国株価指数(MSCI KOKUSAI)連動のインデックスファンドに定額積立投資を行っていますが、個人的な証券口座の投資に関しては例えば、S&P500連動インデックスファンドや米国高配当株インデックスファンド等への積立投資は、まだ取り組んでいません。
ここ最近はS&P500が史上最高値圏にある為、今から購入を開始すると含み損になりやすそうで、一度景気後退局面で株価が大きく下がる日を待った方がいいんじゃないかとか考えてしまうので、なかなか積立の実行に踏み切れません。
自分の中でこの疑問を解消して、最適な積立投資を始める為に、S&P500のPERに着目して、過去のパフォーマンスの分析・検証を行い、積立方法について考察してみました。
S&P500のPER推移
90年間のS&P500のPERの推移を示したチャートが以下です。
これを見ると、2001年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックによる企業業績の落ち込んだ時、PERが大きく上昇していることが見て取れます。
macrotrends社のウェブサイトでは過去の毎月のPERの推移だけでなく、今現在のPER値(推定)も確認することができます。
今回このPERのデータを使用して、「高PERにある時に積立投資を一旦ストップした場合」と、「とにかく積立投資を続けた場合」とでパフォーマンスがどうなるか比較してみました。
検証方法
以下の条件で積立を行いました。
- 銘柄はS&P500に連動するインデックスファンドSPDR S&P500 ETF(SPY)
- 毎月月初に1000ドルを積立
- 配当金は再投資
- PERキャップの場合はその月の投資はゼロ
- 積立期間は20年間
検証結果
ずっと積立続けた場合
毎月1,000ドルをずっと積み立てた場合です。
ITバブルとその崩壊による株価下落中に投資をスタートさせたということもあり、2000年11月から含み損状態に陥り、2003年12月半ばまでの3年もの間含み損の状態でした。
その後、一旦含み益の状態になりますが、今度はリーマンショックで大きく下落し再び含み損状態へ転落。
2009年以降の長期的な株価上昇により、含み益に浮上、以降大きく上昇を続け、2019年9月30日には、合計投資コスト22万ドルに対して評価額は2倍以上の56万ドル(+157%)になりました。
PER25倍以上の時は積立て投資をストップする場合
スタート地点である1999年10月1日からかなりの期間、PERが25倍以上の状態が続いたので、最初の投資実行は2003年10月になってしましました。
その後、リーマンショックの頃に再び積立をストップ。
この間は、それまで積み立てた分が含み損になりました。
2009年以降の株価上昇で含み益に回復、2019年9月30日時点で合計投資コスト16万ドルに対して、評価額は35万ドル(+121%)という結果でした。
複数のPERの場合での投資パフォーマンスをまとめた結果が以下です。
PERキャップ | 投資金額 | 評価額 | 利益率 | IRR |
---|---|---|---|---|
なし | $220,000 | $564,768 | 157% | 8.6% |
20倍 | $88,000 | $224,862 | 156% | 9.7% |
23倍 | $130,000 | $304,646 | 134% | 9.4% |
25倍 | $158,000 | $348,531 | 121% | 9.5% |
28倍 | $178,000 | $410,294 | 131% | 8.8% |
積立続けたものが一番評価益、評価益率が高くなりました。
時間を考慮した利回りであるIRRではPERで制限をかけた方が良くなりましたが、企業やプロの投資家と違って個人投資家はそこまで時間軸は気にしないと思うので、個人的には評価益・評価益率が高い積み立て続けるのが一番良いパフォーマンスと判断しました。
まとめ
S&P500連動のインデックスファンドに20年間積立投資した場合で検証した結果、PERが高かろうが、相場に何があろうが、積立続けるのが一番良いパフォーマンスでした。
特定の期間積立をストップすることは機会損失になります。
別記事で報告した、『積立方法が毎日、隔週、毎月にしてもパフォーマンスはほとんど変わらないという検証結果』と、今回の結果で疑問はかなり解消したので、今後、個別株の投資とは別に毎月定額の積立投資(恐らくETF)も行っていこうと思います。
但し、覚えておくことが2つ。
- エントリー時期によっては、評価額は長期に低迷する。
2-3年含み損状態となっても積立をやめないよう最初にしっかりと覚悟しておく! - 投資する銘柄選定はしっかりと!
将来のパフォーマンスは、将来の価格の値上がり+配当金を受領できてこそ享受できるものである。
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