インデックスファンドや株式の投資を通じて資産形成をする際の手法の一つに『定額の積立』があります。
定額の積立てはドルコスト平均法に基づいており、ドルコスト平均法は『負けづらい投資手法』と言われています。
例えば、
1000ドルを定期的に積み立てた場合、
株価が200ドルの時は、5株購入
株価が100ドルの時は、10株購入します。
結果、2,000ドルで15株購入するので、平均取得単価は133ドル
同じ金額で買い続けると株価が安い時に、多くの株式を購入することになるので、取得単価が自然と低くなることからです。
また、ドルコスト平均法は、自動的に定額を積み立てていく為、相場に一喜一憂しなくて良いというメリットがあります。
さて、この定額積立について、どのタイミングで積立るのが良いでしょうか。
毎月?隔週?それとも毎日?
例えば、米国株ブロガーのもみあげさんが【ポジションを持ちたい派】の投資家向けに毎日投資するという投資手法を提案されています。
(この場合は、定額ではなく1株ずつですが)
証券会社の手数料改定で少額でのETFや株式購入が可能となった今、柔軟な投資が可能になりましたが、果たしてどのように積み立てるのが最適なのか、インデックスファンドを例に検証してみました。
検証の前提条件
今回の検証では、S&P500への連動を目指す、バンガード社の『Vanguard S&P 500 ETF (VOO)』を選びました。
S&P500への連動を目指すETFは日本でも購入可能で、以下のような商品が出ています。
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- iFree S&P500インデックス
- iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド
- 米国株式インデックス・ファンド
- 年間1万ドル
- 配当金は再投資
- 所得税や地方税は無視
- 市場のデータは2014年10月11日~2019年10月11日を使用
この条件で、『毎日積立』、『隔週積立』、『毎月積立』した場合のパフォーマンスを検証してみました。
S&P500の5年間の動き
検証期間のS&P500の5年チャートを参考情報として記載しておきます。
2015年後半や2018年は低迷している時期がありますが、右肩上がりの綺麗なチャートを描いていました。
検証結果
毎日積立、隔週積立、毎月積立した場合の投資金額、保有株数、評価額の推移は以下の通りです。
青色の投資額に対して、時価評価額が赤色となります。
また、VOO保有株数は黄色の棒グラフです。
グラフはほとんど一緒に見えます。
そこで5年度のパフォーマンスを以下にまとめました。
配当は全て再投資しているので評価額と投資金額(配当は含んでいません)との差額が5年間の運用に対する利益となります。
積立方法によって、資金拠出のタイミングが異なるので、評価益の利益率に加えて、時間の概念も含んでいるIRRでの利回りも計算しました。
結果、毎日積立、隔週積立、毎月積立でほぼパフォーマンスは変わりませんでした!
毎月積立が一番良いパフォーマンスでしたが、僅差なので、誤差の範囲内と思います。
米国高配当株に投資するバンガード社のETFであるVYMでも同様に検証してみましたが、結果は以下の通りで、VOOと同じく3つの積み立て方でパフォーマンスにあまり差はありませんでした。
結論
VOOやVYMの2014年10月~2019年10月のデータを用いた検証という限定的な条件での結論ではありますが、
積立は毎日、隔週、毎月と変えてもほとんどパフォーマンスには影響を与えないことがわかりました。
その為、定額積立をする際、積立のスパンに関してはあまり気にする必要がないと言えるかと思います。
個別株の最適な積立方の検証
米国での証券口座開設(駐在終了後のアメリカ国外での継続使用が可能です)について
米国個別株を銘柄分析してみました
駐在員ができる8つの投資手法をまとめています
配当再投資(DRIP)の4つのメリットとただ一つの注意点