マリオットインターナショナル。マリオットホテルやリッツカールトン等、様々なホテルブランドを全世界で展開し、ホテル数7千以上を誇る世界最大のホテルチェーングループです。
同グループは、2015年にウェスティンやシェラトンを運営するスターウッドホテル&リゾートを買収しました。
その後のマリオットポイントとスターウッドのSPGポイントの連携→ポイント統合という流れもあり、マリオットポイントを貯めている、保有している方は多いと思います。
マリオットのポイントはホテルでの使用だけでなく、ANAマイルなど航空会社マイルへの交換比率も良いので、陸マイラーに取って使い勝手が良いポイントではあるのですが、マリオットホテルは年々、ポイントやステータスの条件を改悪しており、陸マイラーにとってはうまみが少なくなっています。
目次
お得なクレジットカードが消滅
陸マイラーの最重要ウェポンである、クレジットカードですが、マリオットはSPGとの統合に伴い、クレジットカードを刷新しました。
パーソナルカードが3種類、ビジネスカードが1種類ありますが、新ブランドのクレジットカードは、クレジットカード作成のサインアップボーナスがイマイチ、カード使用によって付与されるポイントの付与率もイマイチです。
パーソナルカード概要
❶Marriott Bonvoy Brilliantカード
- 最上位のカード
- 年会費450ドル
- マリオットホテルでの使用によるホテルクレジット300ドル付与
- The Ritz-CarltonもしくはSt. Regisに最低2泊宿泊で100ドルのプロパティクレジット付与
- サインアップボーナスは75,000ポイント(3ヶ月以内に3,000ドル使用)
- マリオットゴールドステータス(年間75000ドル使用でプラチナステータス)
- ポイント付与率(1ドルあたり)マリオットグループ宿泊6ポイント、レストラン・飛行機3ポイント、その他2ポイント
- カード更新の際は1泊50,000ポイントまでのホテルに宿泊できる1泊無料券付与
- 発行はアメックス
❷Marriott Bonvoy Boundlessカード
- 年会費95ドル
- サインアップボーナスは75,000ポイント(3ヶ月以内に3,000ドル使用)
- マリオットシルバーステータス(年間35,000ドル使用でゴールドステータス)
- ポイント付与率(1ドルあたり)マリオットグループ宿泊6ポイント、その他2ポイント
- カード更新の際は1泊35,000ポイントまでのホテルに宿泊できる1泊無料券付与
- 発行はChase銀行
❸Marriott Bonvoy Boldカード
- 年会費無料
- サインアップボーナスは50,000ポイント(3ヶ月以内に2,000ドル使用)
- ポイント付与率(1ドルあたり)マリオットグループ宿泊3ポイント、旅行2ポイント、その他1ポイント
何がイマイチなのか?
- どのカードもポイント付与率がかなり低いです。
マリオットのポイントを航空会社のマイルと同レベルの価値での付与率を計算するには3で割る必要があります。
すなわち、1ドルで3ポイント付与のポイント付与率が1%となります。
最上位カードや中位のカードのマリオットグループでの利用が6ポイント=2%というのはまだ許容できるレベルかと思いますが、それ以外のポイント付与は絶望的に低いです。
年会費無料カードに関してはさらにポイント付与率が低く、いくら無料と言っても作るのは全くおすすめできないです。
以下の記事で注意喚起させて頂きました。
- 最上位カードですらステータス付与はゴールド止まり、そしてゴールドステータスのベネフィットは以下で説明の通り、改悪されてしまいました。ヒルトンの最上位クレジットカードAspireはステータスも最上位のプラチナステータスが付与されるのとは天と地ほど差があります。
- マリオットは新クレジットカードに移行した最初のプロモーションを除けば、全然サインアップボーナスアップのプロモーションを行っていないと記憶しています。
有料カードの平常時のボーナス75,000ポイントは、25,000マイル程度ということになるので、お得感に乏しいと言わざるを得ません。
毎年のホテルカテゴリーの見直し
マリオットホテルは毎年、各ホテルのカテゴリーを見直しています。
カテゴリーの見直しは、ポイントによる宿泊の必要ポイント数に影響を与えます。
カテゴリーが下がれば必要ポイントは少なくなり、上がれば必要ポイントは増えます。
直近では2019年3月にカテゴリー変更が実施されていますが、全ホテルの21%がカテゴリーアップ、5%がカテゴリーダウン、74%がカテゴリー維持、という結果で、カテゴリーアップの方がダウンより多いという結果でした。
各ホテルのカテゴリー変更の詳細はマリオットのホテルカテゴリー変更の公式発表 をご覧下さい。
2020年以降がどうなるかは誰にもわかりませんが、カテゴリーアップが多い傾向が続くと、それだけ宿泊に必要なポイント数は多くなりますので、大事にポイントを貯めてまとめて使おうと思っている方ほどその影響を受けやすくなります。
ステータスベネフィット改悪
年間の宿泊数や保有するクレジットカード、またその年間使用額等で付与されるホテルのステータス。
このステータス特典について、マリオットとSPGの統合による新プログラムでは大きく改悪されました。
少し背伸びすれば手が届くゴールド会員のベネフィット改悪は顕著でした。
【ゴールド会員特典内容】
- 無料インターネット
- 会員割引
- モバイルチェックイン
- ポイントボーナス(25%)
- レイトチェックアウト(※16時までが14時までに改悪)
- 専用予約デスク
- ウェルカムギフト
- 部屋の無料アップグレード
無くなってしまった主な特典が以下の2つ。
- ラウンジの無料利用
- 朝食無料
一番欲しいベネフィットが失われてしまいました。
ポイント宿泊にダイナミックプライシング導入
これまでマリオットのポイント宿泊の為のホテルカテゴリー毎の必要ポイント数は365日一定でした。
2019年9月14日からダイナミックプライシング制に移行し、ピーク、オフピークシーズンやイベントによる需要増などにより、必要ポイント数を変動させるようになります。
以下がホテルカテゴリー別の必要ポイント数のチャートです。
もちろん、ピークでの必要ポイント増だけでなく、オフピークでは必要ポイント数は減りますので、この制度自体がメリットが大きいか、小さいかは制度がスタートし、実際にポイントで宿泊をしてみないとわかりません。
但し、ユーザーにとってやり辛い点として、必要ポイント数が変動する→ポイントを貯めて消費する計画が立て辛くなります。
これまでですと、数ヶ月後にカテゴリー6のホテルに3泊しようと思えば、5万ポイント×3=15万ポイントを目指せばいいと、はっきりしていましたが、今後は旅行の時期や曜日によって必要ポイント数が変動しますので、いくらを目指せばよいか、無駄なくポイントを消費するには何ポイント貯めればよいのか、計画が立て辛くなります。
リゾートフィーの徴収
マリオットのポイント宿泊では、主にリゾート地のホテルの宿泊の際にホテル代とは別に発生するリゾートフィーという名目の費用はポイントではカバーされません。
リゾートフィーはホテルにより1日あたりのレートは異なりますが、意外と大きな金額負担になります。
試しに、ワイキキビーチの人気リゾートホテル、「モアナサーフライダー,ウェスティン・リゾート&スパ,ワイキキビーチ」を7泊で検索しました。
カテゴリー7のホテルで1泊あたり6万ポイントが必要になりますが、別途リゾートフィーが259ドル発生します。
リゾートフィーは1日あたり37ドルでした。
ヒルトンやハイアットはポイント宿泊の際に、別途リゾートフィーは徴収されません。
- マリオットのクレジットカードに魅力的なものはない、これでは普段使いでマリオットポイントを効率よく貯めることができないので、致命的な欠点
- 宿泊に必要なポイント数は年々増加していくかもしれず、ポイントはあまり貯め過ぎず機会があるごとに使っていくのがよいかもしれない。
- 好みもあるが他のホテル系ポイントを貯めるのにシフトすることも選択肢の一つ
最近はヒルトンがクレジットカードのプロモーションで攻勢をかけています。
私も夏以降ヒルトンクレジットカードにシフトしました。
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