解説①で企業確定拠出年金(以下、企業型DC)の仕組みや駐在員特有の確認事項について理解したので、加入することを決めました。加入すると、どのような運用商品で掛け金を運用していくか決めていきます。本記事では、私がどのような考えに基づいて運用商品を選んだかを解説します。
目次
運用商品について
企業型DCの運用金融機関によって商品ラインナップは異なりますが、大別すると以下のような商品群になります。
商品タイプ | 元本確保型 | 投資手法 | |
---|---|---|---|
定期預金 | 〇 | ||
積立年金(生命保険) | 〇 | ||
投資信託(バランス型) | リスク抑制やパッシブ | ||
投資信託(国内債券) | パッシブ | ||
投資信託(国内株式) | パッシブ | ||
投資信託(海外債券) | パッシブ | 先進国中心or新興国中心 | |
投資信託(海外株式) | パッシブ | 先進国中心or新興国中心 | |
投資信託(国内債券) | アクティブ | ||
投資信託(国内株式) | アクティブ |
定期預金や積立年金:
低金利時代、ほとんど掛け金は増えないが、掛け金に対する税額控除は享受できる。
バランス型投資信託:
- 国内株式、国内債券、海外株式、海外債券、REIT等複数のタイプの投資対象をミックスすることで、リスク分散を図る投資信託。
- 投資信託によって、アセットクラスや投資の配分は様々。
- 自分でバランスを考えずに運用してもらえるので、余計なことを考えずに運用したい人には合っているかもしれませんが、信託報酬は運用資産額の0.7%程度とインデックスファンドに比べて高い水準。
インデックス型投資信託:
- 投資信託毎に目標となる指標(インデックス)があり、その指標と同等のパフォーマンスの実現を目指す。
- 例えば、米国株全般を対象とする投資信託であれば、S&P500 のような指標が目標とするインデックスとして採用されている。
- 信託報酬は0.2%以下と低い。
アクティブ型投資信託:
- 投資信託毎に指標を設定し、その指標を上回るよう、積極的に取引を行う。
- 指標を上回る為、独自の運用を行うことから、信託報酬は1%後半以上で高い。
- 指標を上回ることもあれば、下回ることもあるので、必ずしも指標以上のパフォーマンスが出るわけではない。
私の商品選択
先に結論から申し上げると、
●●銀行外国株式インデックスファンドS
これに100%資金を振り向けています!
●●はメガか信託のいずれかが入ります。下記で何をインデックスしているかは解説しており、このインデックスを目標にする投資信託は色々とあると思います。
どのような投資信託か?
日本以外の世界の先進国の株価指数であるMSCI KOKUSAI(※)に連動を目指す投資信託です。
※MSCI KOKUSAIとは、MSCI Inc.が開発した株式指数で、日本を除く世界の主要先進国の株価指数を、各国の株式時価総額をベースに合成したものです。
全世界株式でよりメジャーな投資信託としては、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)(これは日本も含む)がありますが、企業型DCは商品ラインナップが限定的なので、先進国株式のインデックスファンドは選んだ1種類しかありませんでした。
その為、国別の配分や業種、組み入れ銘柄は以下のようになります(2019年6月末時点)。
アメリカの時価総額が他国に比べてかなり大きいので、70%近くはアメリカの会社への投資に振り分けられています。
なぜ、この投資信託を選んだのか?
- 安定的な運用成績
60歳以降まで運用し、それが老後の生活資金になるのことを考えると緩やかに安定的な運用益が得られる類のものを好みました。 - インデックスファンドは信託報酬が安い
運用手数料は純粋にコストです。
運用成績が良かろうが、悪かろうが、引かれる手数料は、投資のパフォーマンスに直結します。
そして、それが何十年も長期運用しようということであれば、1%の差が馬鹿にできない大きな差になります。
私の企業型DCではMSCI KOKUSAIをベンチマークとする外国株インデックスファンドは信託報酬が年0.14%でした。
インデックス投資の優位性、信託報酬の差については、米国株インデックス投資で有名なたぱぞうさんのブログ「 インデックス投資の優位性について考える 」で詳しく説明されています。
なぜ、この投資信託に資金を100%振り向けるのか?
なぜ、1つのファンドに一極集中で投資するのか?
理由は2つです。
- 日本を除く主要先進国の株式指数連動、つまりこのインデックスファンド内において、国、業種等がかなり分散されており、それで十分ではない。
- 仮に他のファンドにも資金を振り分けたとして、それが本当にリスク分散になると言えるのか、私にはわかりません。
(わからないならやらない。1の分散効果に任せます。)
今後もずっと、世界先進国のインデックスファンドを100%購入し続けるとは言えませんが、少なくとも今は、このスタイルで2018年1月から掛け金を拠出し続けています。
今後、実際の運用成績も公開予定です。
企業型DCの説明①は以下から戻ります。
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